コラム

スポーツ観戦とメンタルヘルス

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2023年はWBCやサッカー女子W杯、バスケットボールW杯、ラグビーW杯など世界的な大会が多く開催され、いつも以上にスポーツ観戦をする機会が多かったのではないでしょうか。

 

スポーツをすることはメンタルヘルスに良い影響を与えてくれますが、スポーツ観戦もまたメンタルヘルスに良い影響を与えてくれると考えられています。

スポーツ観戦がメンタルヘルスに良い影響を与える理由は、大きく分けて以下の3つです。

 

①興奮や感動を味わえる

スポーツ観戦は、選手たちの熱いプレーやドラマチックな展開で、私たちを興奮や感動させてくれます。この興奮や感動は、私たちのストレスを解消し、気分をリフレッシュさせてくれます。

 

②共感や一体感を味わえる

同じチームを応援している仲間と一緒に観戦することで、共感や一体感を味わうことができます。この共感や一体感は、私たちの孤独感や孤立感を軽減し、社会とのつながりを感じられるようにしてくれます。

 

③身体活動を促す

スポーツ観戦は、実際にスポーツを観戦したり、応援したりする際に、身体を動かしたり大きな声を出すことがあります。この身体活動は、私たちの体力や気力の向上につながり、メンタルヘルスの改善にも役立ちます。

 

より効果的にメンタルヘルスを改善するためには、スポーツ観戦の楽しみ方を工夫することも大切です。

 

たとえば、好きなチームを応援して、共感や一体感を味わうことやテレビやインターネットで観戦するのではなく、実際にスタジアムやアリーナで観戦すること、スポーツ観戦をきっかけに友人や家族と交流する、などが挙げられます。

 

スポーツ観戦は、私たちの生活をより豊かで充実したものにしてくれるものです。ぜひ、スポーツ観戦を楽しみながら、メンタルヘルスの改善を目指しましょう。

 

 

敬愛クリニック 院長 川端 茂雄

笑み鬱からの休職の原因と回復方法

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「微笑み鬱」から「休職」の相談を受ける機会が増えてきました。

 

多くの人がストレスやプレッシャーを感じ、心身ともに疲れ果てている中、こうした症状に陥ることは珍しくありません。

 

しかし、「微笑み鬱」という言葉自体がまだあまり一般的ではなく、症状や対処方法について十分な知識を持っていない人も多いのではないでしょうか。

微笑み鬱とは、表面的には明るく振る舞っているように見える人が、内面ではうつ病のような症状に悩まされている状態のことを指します。一般的なうつ病と同様に、無気力感や憂鬱感、眠気や食欲不振、集中力の低下などの症状が現れます。ただし、微笑み鬱の場合、その症状があるにもかかわらず、周りには笑顔でいるように振る舞い、自分の心の内を隠す傾向があります。

 

微笑み鬱になる原因は、ストレスやプレッシャーが長期間にわたって蓄積された結果として現れることが多いです。また、自己評価が低く、常に完璧主義を追求している人や、対人関係でストレスを感じやすい人、仕事やプライベートでの過剰な負荷によって疲れ果てた人などが、微笑み鬱になりやすい傾向があります。また、心の問題だけでなく、身体的な疾患や薬物の副作用によっても微笑み鬱が引き起こされることがあります。

 

微笑み鬱は、自分で乗り越えようとするよりも、専門の医師に相談することが望ましい症状です。敬愛クリニックでは、微笑み鬱に対して適切な診断と治療を行い、患者さんが自分らしい生活を取り戻すための支援をしています。

 

敬愛クリニックでは、医師や心理士が患者さんの症状を詳しくお聞きし、診断を行います。その後、患者さんに合った治療プランを立て、一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。

 

微笑み鬱からの回復に向けて、まず自宅でできることとしては、十分な睡眠を取ることが挙げられます。また、適度な運動を行うことや、バランスの良い食事を心がけることも大切です。さらに、ストレスを減らすためにリラックスする時間を作ることや、趣味を楽しむこともおすすめです。

 

治療を受ける上での注意点としては、治療の過程での自分の気持ちや感情をしっかりと伝えることが重要です。また、治療のスケジュールや薬の飲み方をしっかりと守ることも大切です。さらに、治療が終わった後も定期的にクリニックを受診することで、再発を防ぐことができます。

 

微笑み鬱は、自分だけで解決するのが難しいものですが、治療を受けることで回復の可能性が高くなります。また、自宅でもできることを取り入れながら、治療を受けることが大切です。

敬愛クリニック 院長 川端 茂雄

季節の変化とメンタルヘルス(梅雨の時期編)

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6月になり雨が続き、いつの間にか梅雨入りしたのでしょうか、季節は春から夏に変わろうとしています。

 

こういった季節の変わり目には風邪をひきやすいなど体調の変化が起こりやすいものです。

 

メンタルヘルスにおいても季節の変わり目は体調管理に注意が必要な時期と言えます。

季節の変わり目には気温や気圧の変化が生じやすく、それに伴い体の調子を整える自律神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経のバランスが崩れることで、眠れない、だるい、頭痛、めまい、イライラや不安感、情緒不安定や抑うつなど人によって異なりますが様々な症状が生じることがあります。

 

梅雨時期に雨の日が続き日照時間が減少することで、生体リズム調整に重要な役割を持つホルモン「メラトニン」や幸せホルモンとの呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」の分泌量が減少してしまいます。

 

メラトニンは季節のリズムや睡眠・覚醒やホルモン分泌のリズムなどの概日リズム(おおむね1日のリズム)の調整作用があります。メラトニンがうまく分泌されないことで体内時計の調整がうまくいかず睡眠障害などを引き起こす可能性が生じます。

セロトニンはドパミン(喜び・快楽など)やノルアドレナリン(恐怖・驚きなど)の働きを制御し精神を安定させる働きをします。セロトニンが減少することで不安感が増したりうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こす可能性があります。

 

このように体調変化が生じやすい梅雨時期に体調を整えるためにお勧めすることは、生活のリズムを整える、軽度な運動を行う、太陽の光を浴びるなどです。夜寝て朝起きる、朝食を食べるなど生活のリズムを整えるとともに晴れている日には意識的に日光に当たるほうが良いでしょう。

 

また雨の日でもできる軽度な運動(ヨガや室内プールやショッピングモールでウインドウショッピングなど)をすることで自立神経を整えることができます。

 

色々な対策を講じていても精神的に不調になる事はだれにでも起こりえます。そんな時は一人で悩まずにお気軽にメンタルクリニックを受診してみてください。不調の原因を一緒に探り解決方法を提案できるかもしれません。

 

敬愛クリニック 院長 川端 茂雄

新社会人の不安とうつ

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 4月に入り新生活が始まったという方も多いと思います。

 

 かくいう敬愛クリニックも4月から新しい場所に移り、新しい環境に慣れるために四苦八苦しながら診療にあたっている日々です。

 

 中でも4月から新社会人(新入生)になられた方で、新しい環境に変わったことで、気分が落ち込んだり、不安に感じる方もおられるかと思います。実際当院を受診される患者様にも、毎年この時期に新社会人の方の受診が増えている傾向が見られます。

 

 では、なぜこの時期に新社会人になった方の気分が落ち込んだり、不安に感じたりする事が増えるのでしょうか。一番の要因はストレスが増えるからです。

 

 今までの学生生活とは異なり自分より年上の人が多い人間関係、すでに構築されている人間関係の中に自分が入っていくこと、生活リズムが大きく変わること、新しいこと(仕事)を覚えること、仕事内容が自分の思っていたものと違う、人によっては引越しをして単身生活を始めるという方もおられるなど、ストレスがかかる要因が多く存在します。また、近年ではコロナの影響で家族・学校以外の他者と交流する機会が減少したまま新社会人になる方もおられます。これはより強いストレスを与えられる要因になると考えられます。

 

 このようにストレスフルな状態になったとき人間の体は防衛のために様々なサインを出します。イライラする、気分が落ち込む、不安感が付きまとう、夜眠れない、朝起きられない、寝た気がしない、やる気が出ない、楽しい気分にならない、好きなことができなくなるなどです。また、体の症状として現れることもありす。頭痛やめまい、腹痛や下痢、発熱や吐き気などです。

 

 対処方法としては、今まで自分が行っていたストレス解消方法を試す(生活リズムが変わったことによりそれができなくなっている可能性もあります)、家族、友人に悩みを聞いてもらう、朝起きて夜寝るリズムを続ける、ゆっくり休む、適度な運動をする、(カラオケなどで)大きな声を出す、などがあります。オンとオフの切り替えなど意識してストレス解消を行うことが大切です。

 

 それでも自分の体調が戻らないことがあります。そのような時はメンタルクリニックを受診してみてください。風邪をひいて自分で治そうと思って色々試したが、どうも治らない時に内科を受診するのと同じ感じです。メンタルクリニックには医師や心理師がおり状況を確認しながら、カウンセリングや時にはお薬で体調を戻すお手伝いをいたします。

 

 このような状態になる事はだれにでも起こりうる可能性があります。先に述べたように新社会人にはストレスが多くかかっていますので、このような状態になりやすいと言えます。一人で悩まずに専門家に相談してみるのも一つの解決方法と考えてみてください。

敬愛クリニック 院長 川端 茂雄

移転のご挨拶

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 院長 川端 茂雄

敬愛クリニックは、患者様を中心とした医療を提供し、わかりやすい説明を心掛け、不安に思うことをお気軽に相談できるメンタルクリニックです。

敬愛クリニックは、平成7年より徳島市南内町で長らく地域精神医療をおこなって参りました。

しかし、建物の老朽化や階段、駐車場の確保などから近年ではご利用される方々にご不便をおかけしておりました。
そこでこの度、徳島市常三島地区に移転し、バリアフリーで明るい診療室や広く落ち着ける待合室、充分な数の駐車場を用意することで利用しやすいメンタルクリニックにすることができました。

診療する場所は変わりましたが、開設当時から変わらず、「住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らし続けるお手伝いをしたい」という想いを持ち続けながら診療を行なってまいります。

誰もが直面しうるメンタルヘルスの問題に、敬愛会グループ全体でサポートする体制を整えております。お気軽にご相談ください。

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