コラム

「あるがまま」について
「あるがまま」という言葉は、神経症の治療の大家である森田正馬先生の言葉で、精神科医の中では、大変有名な治療的な言葉です。内容を簡単な言葉で説明すると、神経症(不安や心配事が気になって生活に支障が来たす病気)、あるいは神経質な方が、不安・症状を排除しようとすることで悪循環を招いたり、自然な感情を「こうあるべきだ。」という構えでねじ伏せようとして葛藤に陥っている場合に、考え方を切り替えます。悩みを「取り組み可能なもの」にする、あるいは、不安をいったんそのままにしておき、日常生活を大事にしていくといった事です。 感情を「自然なもの」と捉え、否定的な、嫌な感情もそのまま認め、変化・流動するものとして扱うのです。
 同じような言葉(正確には、少し違いがあります)で、有名なビートルズの「レット・イット・ビー」というタイトルの曲があります。「なるようになるさ」という意味で、「できる限り精一杯の善行を積もう,何事にもベストを尽くそう。その結果を判断するのは神であるが故に人間が口をさしはさむことはできないが,神様はきっと見ていてくださる。マリア様の慈悲の心にすがり,救われることを信じて,今はじたばたせずに結果を待とう」というような意味だったと思います。他にも、同様の内容が使われている曲はたくさんあります。それだけ、この言葉は世界的にも一般的になっています。

精神的なストレスや心配事があっても、とりあえずやれることから、やっていくということは大切なことだと思います。恐る恐る、今できることからやってみましょう。出来る事と出来ない事を分けて、出来ることからやってみましょう。

試験で1問目が解けなかったら、「とりあえず」先に進んで最後まで解いてみる。

不安を雲のように浮かべておき、必要なことを通して、人と関わっていく。

緊張するまいとするほど緊張するが、適度な緊張は必要でよく思われたいと思えばこそ不安になる。

うまく話そうとするより、内容を伝える。良い話し手になるのには、良い聴き手になることから。
不完全のおすすめ
 皆さんは、物事や人間関係などを完全にしようとして、苦しんでおられませんか?完全主義はいろいろな精神的な病気の原因やきっかけになります。たとえば、神経症、うつ病、境界性人格障害などです。心配事を完全に解決しようとして不安になったり、完全に清潔でなければならないと感じて不潔恐怖になったりすることがあります。また、うつになりやすい方の中には、何事も完全にしなければならないという性格のために現実とのギャップに苦しんでうつになってしまう方もおいでます。何事も白か黒か決め付けて(たとえば、いい人か悪い人かどちらかに分類する)、人間関係を次第に窮屈なものにしてしまう方もいます。 
 そこで、ちょっと考えてみましょう。まず、完全な人間、あるいは物事というものは存在しません。尊敬できる立派な人にも必ず欠点はあります。むしろ欠点があるから、より好ましい感情を持つのかもしれません。人間ですから、身体や精神の状態がいつもいいとは限りません。体調がいいときは本当に優しい人でも、体調が悪いときや大きな心配事を抱えているときは他人に優しくすることが出来ません。また、昔から「形あるものは必ず壊れる」とも言います。未来永劫ずっと壊れないものは存在しませんし、完全なことはほとんど存在しません。
 ではどうすればいいのでしょうか。それは、不完全なものを認めてしまうことです。それは、まず自分からはじめてみましょう。自分の不完全なものを認めて、「自分は完全ではないけど、それなりに頑張っているじゃないか。」と考えます。あるいは、不安・症状を完全に排除しようとせず、自分の感情を「自然なもの」と捉え、不安な、嫌な感情もそのまま認め、変化・流動するものとして扱うことです。
 次に、他人に対しても同じように考えることです。たとえば、いつも優しい人の機嫌が悪かったり、優秀で失敗しない人が失敗することがあるとします。その時には、「どこか体調が悪いのかな。何か心配事を抱えているのかな。」と考えてあげてください。そうすることによって、他人にやさしくすることが出来ます。

 最後に繰り返しになりますが、「自分はOK、他人もOK」が大切です。
ストレス相談について
ストレス相談について

 現代はストレス社会と呼ばれています。特に、精神的なストレスのうち、不満、悔しさ、つらさ、不安などが大きすぎると次第に意欲の低下、憂うつ感などの心の症状を起こし、最終的にはうつ病やノイローゼなどの精神的な病気や動悸、胸焼け、様々な痛みといった身体の症状を起こし、最終的には高血圧、心臓病、胃潰瘍といった心身症を引き起こします。但し、本当はストレスというものは悪いことばかりではありません。適度なストレス(それは各個人によって違いますが)は、よりよく生きていこうとする心も作り出します。
 ストレス相談では、ストレスに気付いていただいて、ストレスを上手にコントロールすること(コーピングといいます)を身につけていただいてより良い健康な生活を送って頂くことを目的としています。まず最初に、何が問題になっているのか、その問題をどうしたいのか、何ができるのかということを客観的に捉えることから始めます。(これを気付きといいます。)そのために問診や心理テストなどをさせていただきます。次に、否定的な思考や認知の歪み(どうせ努力しても仕方がない、自分はダメな人間だ。など)を修正したり、過大なストレスであればそれを避けるようにすること、によってストレスに対して適切な思考や行動を取っていただくようにします。その時、カウンセリング、行動療法、森田療法、認知療法、薬物療法などを相談しながらやって行きたいと思います。(皆さん方全ての人が全部違った環境、考え方、ストレスの違いを持っておられると思いますので、十分に相談させていただきます。ただし、状況によっては、皆様方の希望する治療法がどうしても無理があると思えば、その希望通り行かない場合もあるかもしれません。その場合でも十分説明はさせていただきます。)
 そして、最終的には、適度なストレスを受けながら、出来るだけありのままの生活(決して、無理をしていない)を取り戻していただけることを目標にします。ちょっとしたストレスでは何ら影響のない精神と身体(ストレス耐性)を持っていただくようにしたいと思います。
敬愛クリニック
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敬愛クリニック 徳島


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