コラム

2、メンタルヘルスの実践 (食生活を中心として)
メンタルヘルスの実践法として、食事を取り上げたいと思います。今回は、よく起こることがあるうつや不安を取り上げたいと思います。うつや不安には、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少が関係しているとされ、セロトニンの合成に関係する各種栄養素の摂取が重要です。
① タンパク質⇒セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から合成されます。トリプトファンは、肉類、魚介類などの動物性タンパクに多く含まれるため、良質のタンパク源を確保することは重要です。
② ビタミン(葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12)。⇒葉酸は代謝されて補酵素として、アミノ酸、核酸合成に作用する。葉酸の摂取不足が男性のうつ病の再発リスクを高めたり、SSRI(抗うつ薬)の補助療法として葉酸が有効という報告もある。葉酸は、レバー(鶏)やほうれん草に多く含まれる。次に、ビタミンB6は、アミノ酸代謝の補酵素でトリプトファンとともにセロトニンの合成に関与しているため、十分な摂取が重要である。ビタミンB6は、まぐろ、大豆に多く含まれる。ビタミンB12は、神経細胞内の細胞膜を修復する作用があるため、神経伝達物質の伝達を促進させる。レバー(牛)、しじみなどに多く含まれる。
③ n-3系不飽和脂肪酸(DHA、EPA)。⇒n-3系不飽和脂肪酸の摂取でうつ症状が改善したという報告がある。また、n-3系不飽和脂肪酸の高摂取はうつ病発症のリスクが低かったという報告、うつ病患者ではDHAの血中濃度が低い。n-3系不飽和脂肪酸は、細胞膜の安定化に必須であり、脳内において神経伝達物質の細胞内伝達に一役を担っている。DHAはまぐろや真鯛、EPAはいわしやさばに多く含まれる。
④ 亜鉛。⇒脳内においてグルタミン作動性神経終末のシナプス小胞内に局在し、神経伝達調節因子として作用するとともに、脂肪酸代謝の酵素としても働くため多価不飽和脂肪酸を介して、うつ病の予防効果が示唆されている。牛肉(もも)、牡蠣に多く含まれる。
⑤ コレステロール。⇒低コレステロール血症の状態ではうつ病のリスクが高まる。脳内の細胞膜中のコレステロールが減少することによりセロトニン受容体の機能が低下し、セロトニンの細胞膜内への取り込みに、影響を与えるためと言われている。もちろん、動脈硬化症などの生活習慣病予防として、コレステロールの摂取を控えることは大切です。しかし、コレステロールは細胞膜やステロイドホルモンなど生体内で重要な働きをする物質の構成成分です。
気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
1、メンタルヘルスの重要性 (レジリエンス=逆境力) 
精神疾患において、最も重要な事は発症を防ぐこと及び早期に発見して治療することです。最近、レジリエンス(逆境力、回復力、しなやかさといったもので色々な要素があります)という概念が研究され、予防、早期回復、再発予防に活かそうとしています。役に立つ面があると思われますので上手に利用してください。
Ⅰ レジリエンスを築く方法(アメリカ精神医学会の提唱より)
① 身近な家族や友人との良好な関係を維持する。⇒当たり前と思われますが、スキンシップや話を聴いてもらえることは大変重要です。
② 危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ない。⇒
何事にも「どうにかなるさ。」という気持ちで立ち向かう。
③ 変えられない状況を受容する。⇒自分で変えられないことは、しばらく置いて、自分の良い面を見ていく。
④ 現実的な目標を立て、それに向かって進む。⇒優先順位を決めて、大事なことを実際にできるような目標を立てて実行する。
⑤ 不利な状況であっても、決断し実行する。⇒これは、ちょっと難しいかもしれません。しかし、失敗や短所を大げさに考えず、冷静に評価してみるくらいでどうでしょうか?
⑥ 損失を出した戦いのあとには、自己発見の機会を探す。⇒「失敗は成功の元」という言葉もあります。エジソンも「完全に諦めるまでは失敗ではない。」と述べています。
⑦ 自信を深める。⇒とにかく、小さな成功を重ねて大きな成果を得られるようにして、自分に自信が持てるようにしましょう。
⑧ 長期的な視点を保ち、広い視野でストレスの多い出来事を検討する。⇒感情的決めつけ(自分の感情で物事を判断すること)をやめて、時間をかけて、ゆっくりと考えてみる。良い面と悪い面を書き出してみるのも良いかもしれません。
⑨ 希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する。⇒「どうにかなるさ。」という気持ちを持ち、良いことが起こることを期待し、紙やノートに書いてみる。
⑩ 心と身体をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う。⇒
心配事や体調の悪さがあれば、医師などに相談し、体調維持のために定期的に運動し、「自分が何をしたいか」に素直になる。
気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
不安障害(神経症)について  2、全般性不安障害
 全般性不安障害とは、多様な状況についての過度な不安や心配が6ヶ月以上続く病態です。注意しなければならないのは、アルコールや薬剤の影響を受けやすいことやうつ病の部分症状であることです。
治療的には、心理教育と薬物療法の両方が有効であるが、慢性的な経過をたどることも多いです。
Ⅰ 治療と対応。
① まず、薬物療法で症状を軽減させる。(薬物を使用し、不安や心配を軽減し、通常の日常生活を楽にする。但し、薬物療法のみの治療は望ましくない。)
薬物としては、SSRI(パロキセチン、エスシタロプラム、セルトラリンなど)、SNRI(デュロキセチン、ンラファキシン、など)TCA(イミプラミン)、トラゾドン、BZD(アルプラゾラム、ジアゼパム、ロラゼパムなど)、タンドスピロンなどがあります。難治性の場合には、ミルタザピン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールなどが有効な場合があります。それぞれの薬剤で長所と欠点がありますので、医師と相談してください。
② 次にある程度安定した状態になった時に、心理的教育も考慮していきます。(心理的教育には、認知行動療法や森田療法などがあります。これは個人差があるものなので一律にはいきません。不安というものは、全く無くならなければならないものではなく、むしろ付き合っていくべきものであることを理解していただきます。)
③ 認知行動療法の要点:1、不安と恐怖自体は病的なものではなく、避けた時に障害になる。2、不安を回避することが問題を大きくし、生活を狭めてきた事実を確認する。3、治療の焦点は不安と恐怖をコントロールすることではなく、豊かで意味のある生活を送ることである。
④ 森田療法の要点:1、様々な心配事を確認したり、予期不安を打ち消そうとすると心配や予期不安がますます増大する。2、対処として不安はそのままにしておけば時間とともにピークは下がることを経験。3、不安や心配をしつつ建設的な行動を広げることを強調。4、神経質性格の長所を生かす。

気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
不安障害について  1、パニック障害(不安神経症)
 パニック障害とは、突発的かつ反復するパニック発作(動悸、呼吸困難感など)とその発作に対する予期不安(また発作が起きるのではないかと不安になる)を主な症状とする疾患です。最初は身体科にかかったり、場合によっては救急外来を受診することも多いです。原因としては、扁桃体(脳の中で不安を感じる場所)を中心とした恐怖ネットワークが作られ、過労やストレスによって発症しやすく、不安や緊張などの心理的要因の影響を受けます。一般人口の2-3%の方が経験し、女性の方が2、3倍多いと言われています。
Ⅰ 治療と対応。
① まず、薬物療法でパニック発作を抑える。(パニック発作を抑えることにより、不安や苦悩を取り除き、通常の日常生活を取り戻していただく)
薬物としては、SSRI(パロキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、エスシタロプラムなど)、SNRI(ベンラファキシン、デュロキセチンなど)TCA(クロミプラミン、イミプラミン、ノルトリプチリンなど)、BZD(アルプラゾラム、ジアゼパム、クロナゼパム、ロラゼパムなど)などがあります。それぞれの薬剤で長所と欠点がありますので、医師と相談しながら、薬を調節します。
② ある程度発作が治まる、回数が減るといった安定すると、心理的教育と薬物の減量あるいは中止といったことも考慮していきます。(これは個人差があるものなので一律に同じようにはいきません。心理的な教育なしに薬をやめられる方もおいでますが、ほとんどの方は再発しますので、注意深くすることが必要です。)
③ 要点:パニック発作は、急激な自律神経の緊張が特徴であるが、倒れたり、死に至ることはありえないことを学習する。薬物は生活を立て直すための補助手段で上手に利用するものである。(必ず継続しなければならないものではないが、状況によっては継続しても良いという考え方もある。)例えば、誘因と考えられるストレスが続いているような場合は継続することが望ましいし、再発による不利益が大きいと考えられる場合には継続投与をお勧めします。逆に妊娠の予定や身体合併症がある方などは早くやめる方向で検討します。
④ 薬の代用となる治療(気持ちの切り替え、認知行動療法など)の心理的治療などに切り替えていくことが出来れば、そちらの方に徐々にシフトさせていきます。

気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
不眠について  3、睡眠薬の休薬について
 今までは不眠に対して、睡眠薬の使用を含めて、説明させていただきました。中には、睡眠薬は依存性がある、あるいは、副作用が不安とおっしゃられる方も多いです。今回、睡眠薬の休薬ということを説明するとともに、それらの不安や今後の対処を説明したいと思います。
1、まず、休薬ができる段階か判断する。不眠症とは、睡眠に対する不足感を訴え、これに関する日中の機能障害がある場合と申し上げましたが、これらが改善してから、2、3ヶ月経過しているかどうかが一つの判断材料です。そして、もう一つは、背景因子(ストレスや環境など)が改善していることを確かめます。
2、休薬について、ゴールの明確化
① 休薬の必要性について合意する。
副作用(依存性、持ち越し効果)、身体的問題、保険上のルールなど
② 休薬中の不安や課題について話し合う。
・急激な減量をしない
・いつでも再開できることを保証する
・休薬に執着しない。
③ 目標は完全に休薬することではなく、日常生活に支障のない範囲内で徐々に減量していくこととする。
④ 睡眠衛生指導、認知行動療法などを併用する。

⑤ 減量のコツ:まず薬物療法を行うが、減量の仕方に注意をする。
A、減量しやすい薬物に切り替える。(スポレキサント、ラメルテオン)
  これらの薬剤は依存性がほとんどないとされています。
   B、長時間作用性の薬物に切り替える(短時間作用性の薬剤は、依存性が強いので、依存性の弱い薬剤に変える)
C、漸減法や隔日投与法、あるいはその組み合わせをおこなう。
漸減法:すこしづつ薬剤を減らしていく方法。
隔日投与法:服薬の仕方を1日おきや2日置きに切り替える。(徐々にその間隔を長くする。)

そろそろ睡眠薬を減らしていきたいと考えたり、気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
不眠について  2、睡眠衛生指導
不眠症の治療の基本は睡眠衛生指導であると申し上げました。まず、厚生労働省が出した睡眠障害対処の12の指針を説明します。
① 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分。:睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない。年をとると必要な睡眠時間は短くなる。
② 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法:就寝前4時間のカフェイン摂取、就寝前1時間の喫煙は避ける。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング。
③ 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない。:眠ろうとする意気込みが寝付きを悪くする。
④ 同じ時刻に毎日起床:早寝早起きではなく、早起きが早寝に通じる。日曜に遅くまで床で過ごすと月曜の朝がつらくなる。
⑤ 光の利用で良い睡眠:目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を。
⑥ 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣。:朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進。
⑦ 昼寝をするなら、15時前の20-30分:長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に影響。
⑧ 眠りが浅い時は、むしろ積極的に遅ね・早起きに:寝床で長く過ごしすぎると熟眠感が減る。
⑨ 睡眠中の激しいいびき・呼吸停止や足のびくつき・むずむず感は要注意:背景に睡眠の病気、専門治療が必要。
⑩ 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に:長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意
⑪ 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。:睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる。
⑫ 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全:一定時間に服用し就床。アルコールと併用しない。

不眠症の治療の第一歩は、睡眠に対する誤った知識や認識を正すことです。
気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
不眠について  1、概略、診断
不眠の訴えは、成人の3人に1人が抱えていると言われている。但し、不眠症と定義されるのは、患者自身が睡眠に対する不足感を訴え、これに関する日中の機能障害がある場合です。
Ⅰ 診断
① 問診:不眠症の治療の基本は睡眠衛生指導であり、初診時の問診が極めて重要である。不眠の訴えだけでなく、日中の機能障害の有無、いつから生じたか、どのくらいの頻度か、原因や誘因があるか、夜間の尿回数や再入眠困難などを確認する。うつ病などの精神障害、疼痛などの身体疾患、薬物の影響などについても調べる。カフェイン摂取、喫煙、飲酒量なども重要である。既往歴や家族歴などの確認も重要である。生活パターンも詳しく聴取する必要がある。何時に目が覚め、何時に床から出て、食事は何時に摂り、仕事時間・休憩時間、夕食後の行動、風呂に入る時間、睡眠前の行動などが重要である。
② 鑑別診断:生活習慣や睡眠環境に問題⇒環境因による不眠
身体疾患による睡眠妨害(疼痛,掻痒)⇒身体因による不眠
睡眠を障害しうる薬剤を服用⇒薬剤性不眠、
頻回の中途覚醒あるいは過眠、睡眠中の窒息感、
呼吸停止により中断される激しいいびき⇒睡眠時無呼吸症候群
入眠障害、就寝時下肢の異常感覚⇒レストレスレッグズ症候群
入眠障害、さらに中途覚醒、睡眠時下肢の不随意運動の自覚、
睡眠中の体動の増加⇒周期性四肢運動障害
著しい入眠障害と起床困難⇒概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型)
中途覚醒、早朝覚醒、抑うつ感、興味喪失⇒うつ病
早朝覚醒、夕方から眠気⇒概日リズム睡眠障害(睡眠相前進型)、高齢者
中途覚醒⇒中途覚醒型不眠症
入眠障害のみ⇒入眠障害型不眠症、精神生理性不眠
③ 治療:睡眠衛生指導
認知行動療法
  薬物療法
④ 実際の治療:まず薬物で不眠を改善させて、安心してもらう。その後、代用となる治療(気持ちの切り替え、認知行動療法など)の心理的治療などに切り替えていく。

気になる事があれば、医師と十分相談しましょう
成人の発達障害について(ADHDの薬物療法を中心に)    3
今回は、薬物療法を含めたいろいろな治療法や工夫があるとされるADHDの治療薬に焦点を当ててみます。

ストラテラ(一般名  アトモキセチン)
作用  ◎ドーパミンを間接的に増やし、ADHDの症状を抑える。
     前頭葉が活性化し、衝動性・不注意・多動性を改善する。
    ・朝、夕の服用で穏やかに効く。
×効果が出るまでに、数週から6週ほどかかる。
〇持続時間  24時間
×副作用など:食欲低下、眠気、頭痛など

コンサータ(一般名  メチルフェニデート)
作用  ◎ドーパミンを直接的にに増やし、ADHDの症状を抑える。
・登校・出勤前などの1日の始まりに服用し、日中の間、効果が持続。
〇即効性がある。
△持続時間  12時間
×副作用など:食欲低下、不眠、頭痛、感覚過敏、こだわりの増強
など
×チックがある症例や脳波異常がある症例は避ける。
       
 ・抗精神病薬:上記の薬で十分の効果が得られなかったり、衝動性が強い場合などでは、抗精神病薬のリスペリドン、ハロペリドール、アリピプラゾール、オランザピン、スルピリドなどを単独であるいは併用で使用する場合があります。

また、何回も申し上げているように、治療は薬物療法だけでなく、
① 適切なサポートおよび環境調整、自分の特徴の理解
② 自分の生活の中での困難を理解し、対処方法を身につけていくこと
③ 周囲によき理解者、サポーターを得ること
④ 自信を持てるようになる事
⑤ 充実した社会生活を送れること

薬物の投与などを希望される方は、一度医師にご相談ください。
成人の発達障害について(ADHDを中心として)   2
ADHD(注意欠陥多動症)で日常生活における困る事を挙げてみます。
1、職場や学校で
① 多動性:会議中や仕事中に落ち着かない感じで、そわそわしてしまう。      貧乏ゆすりや机を指先でたたくなどのくせが止められない。
② 衝動性:会議中に不用意な発言をしてしまう。
思ったことをすぐに口にしてしまう。
③ 不注意:会議や仕事に集中できない。
仕事に必要なものをなくしてしまう、忘れる。
仕事の締め切りに間に合わない。
仕事を最後まで終えることが難しい。
仕事でケアレスミスがよく見られる。
2、 家庭で
① 多動性:家事をしているときに、別のことに気を取られやすい。
おしゃべりに夢中になって家事を忘れてしまう。
② 衝動性:衝動買いをしてしまう。
言いたいことを我慢してイライラする。
③ 不注意:部屋が片付けられない。
外出の準備がいつも間に合わない。
家事を効率よくこなせない。
お金の管理が苦手。
3、 人間関係
① 多動性:おしゃべりを始めると止まらない。
自分のことばかりしゃべってしまう。
② 衝動性:衝動的に、人を傷つけるような発言をしてしまう。
ささいな事でもつい叱責してしまう。
③ 不注意:約束の時間にいつも間に合わない。
約束を忘れてしまう。
人の話を集中して聞けない。
 こうしたことは、誰にでもある事ですが、頻繁に起きていて、子供の頃からずっとそうだったという場合、ADHD(注意欠陥多動症)が疑われます。これらの特性を持った人たちは、必要なサポートを受け、生活上の悪循環を断ち切り、状況を改善していく事が出来ます。薬物療法を含めたいろいろな治療法や工夫があります。
これらの症状がある方は一度医師にご相談ください。
成人の発達障害について(ADHDを中心として)    1
「忘れ物やミスが多い」「上司や同僚、お客さんとのコミュニケーションがうまくいかない」「提出物の期限が守れない」「大事なものをなくしてしまう」「仕事や家事の段取りが悪い」「空気が読めないと怒られる」などのよくある事で仕事や生活面で何らかの支障を来している人が多くいることがわかってきました。
  
誰にでもある事ですが、頻繁に起きていて、子供の頃からずっとそうだったという場合、もしかしたら努力不足などではなく、生来の発達のアンバランスが関係している可能性もあり、発達障害と呼ばれるものです。代表的なものとして、ADHD(注意欠陥多動症)、自閉スペクトラム症、限局的学習症などがあります。これらの特性を持った人たちは、障害と気づかれにくく、必要なサポートを受けられずに困っていることがあります。また、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力をしていますが、それにもかかわらずなかなか状況が改善されません。そのため自分自身を責めたり、本人が怠けている、悪気があってやっている、あるいは親の育て方のせいといった非難や誤解にさらされたり、つらい状況に置かれがちです。

しかし、こうした問題は、本人の努力不足や家族のせいではなく、脳の発達特性によるものであると考えられます。
本人や周りの人が、その人の発達特性を理解し、適切に対応することで、生活上の悪循環を断ち切り、状況を改善していく事が出来ます。

今回は、薬物療法を含めたいろいろな治療法や工夫があるとされるADHDに焦点を当ててみます。

症状 ①多動性:落ち着かない感じ、貧乏ゆすりなど目的のない動き
   ②衝動性:思ったことをすぐに口にしてしまう。衝動買いをしてしまう。
   ③不注意:仕事などでケアレスミスをする。忘れ物やなくしものが多い。
    約束や期日を守れない。間に合わない。時間管理が苦手。
仕事や作業順序立てて行うことが苦手。片づけるのが苦手。
などの症状が幼少期(12歳以前)からあり、成人のADHDは、多動性が弱まり、不注意が目立つ傾向にあるようです。
これらの症状がある方は一度医師にご相談ください。